越つかの酒造(株)

地域 下越
代表銘柄 越乃あじわい
住所
新潟県阿賀野市分田1328  Gooleマップを見る
URL
http://www.osakenet.jp/

周囲の環境

越つかの酒造があるのは、新潟市の東隣に位置する阿賀野市です。
越後平野のほぼ中央に位置し、南側に阿賀野川が流れ、東側に標高1,000メートル級の山々が連なる五頭連峰が見えます。
阿賀野川は福島県から新潟県を流れ、全長は 210キロメートル、流域面積 7,710平方キロメートルを誇る大きな川です。
水流の量は日本最大級であり、国は一級河川と指定しています。

水量が豊富なことから、湖も造られました。
100種の鳥類の生息が確認されている「瓢湖(ひょうこ)」は、全国的に有名な湖です。
白鳥の渡来地として国の天然記念物、鳥獣保護区、ラムサール条約の登録湿地とされています。
周囲の自然が豊かで、水が良好な証です。

また五頭連峰は一ノ峰から五ノ峰まで5つの峰が連なっており、その荘厳な姿に古くから信仰の対象となっていました。
809年に弘法大使「空海」が五頭山を開山したと言われています。
五頭温泉郷のある温泉では空海が杖を突くと、そこから源泉が湧き出たという伝説もあります。
麓には温泉街が広がり、竹久夢二をはじめ多くの文化人が滞在しました。
現在は新潟市近郊の山として、県内屈指の登山者数を誇っています。

背景に連なるそのような山々を背にして、穀倉地帯が広がっています。
また水が豊富に流れていることより、水田が多く存在します。
有名なコシヒカリはもちろんのこと、ナスや長芋、茶豆などが有名です。
雪は降りますが、強い風が吹き抜けるため積雪量は比較的少ない場所となっています。

このような自然豊かで農業が主産業の町で、越つかの酒造は創業当時の面影を残し、伝統を継承した酒造りを行っています。

酒蔵の歴史

越つかの酒造は、「越酒造」と「塚野酒造」の二つの酒蔵が合併してできました。

JR水原の駅より、南へ6キロほど離れた土地である旧水原町に「塚野酒造」はありました。
1781年頃に、塚野家の初代であった塚野丈左衛門義照が「河内屋」を名乗って酒造りを始めたものが「塚野酒造」の始まりとされています。
地元をはじめ新潟市内を中心に「代々泉(よよいずみ)」の醸造元として知られた老舗でした。

一方「越酒造」は、1987年旧豊栄市において、大吟醸酒、吟醸酒、純米酒という高級酒のみを製造する蔵として設立されました。
高級酒のみに特化するという、その技術は高く、1988年回から関東信越国税局酒類鑑評会にて17回も連続入賞をするという偉業を成し遂げました。

この伝統と技の二つの会社が1996年に合併し、越つかの酒造が誕生したわけです。
現在は1781年から続く、伝統ある塚野酒造の趣ある建物と設備を使って酒の製造を行っています。
200年の伝統と、優れた技術力の新しい蔵が融合したと言えるでしょう。
創業当時は大名領に関連したと言いますから、かなりの財力だったのか、大変広い敷地となっています。
そのため、酒造りもゆったりとした環境で造ることができるとか。
現在の主力銘柄は「代々泉」と「越乃あじわい」です。

家付き酵母について

かつて酒蔵には「家付き酵母」が住んでおり、その酵母によって酒の出来具合が決まったといわれています。
酵母はアルコールの発酵を行い、酒の香りや旨みを作り出す重要な役割を果たしています。
家付き酵母とは、酒造りの過程で発生する酵母が、建物の壁や床に付着し、それが増殖し、その酒蔵独特の進化を遂げたもので、蔵によって酵母が違うとされています。
現在は醸造法の変化により、家付き酵母は関係しないと言われています。
しかし現在でも、兵庫県神戸の櫻正宗、菊正宗酒造、山口県岩国市の酒井酒造などが家つき酵母を使用している製品として販売を行っており、全国でも珍しい例となっています。

越つかの酒造も全国でも珍しい例のひとつに入ります。
かつてよりこの蔵には、優れた酵母が住んでいました。
その優秀さが認められ、広島醸造試験場にて培養されたことより「広島5号酵母」という名前で、広く使用されるようになりました。
この蔵では「塚野酵母」と呼ばれ、今でも酒の味に関連するのではないかと考えられています。
そのためか、この酒蔵に入ると酸の匂いがする独特な香りがします。

原材料へのこだわり

越つかの酒造で造っている酒は70%が純米酒と、純米比率が高くなっています。
これを支えるのが全量新潟産という「五百万石」と「こしいぶき」が中心になっています。
飲みやすく、少し辛めの純米酒を目指しているようです。
そのためにこだわっているのが米と水。
水道水の使用が増える中、水は阿賀野川の伏水流を使用しております。
そのため、蔵が目指している通りすっきりと飲み飽きしない淡麗辛口の味を醸し続けています。

酒かすの再利用

越つかの酒造では、日本酒造りで出る酒かすをリサイクルし、肥料や飼料を製造販売する事業に乗り出しました。
多くの酒蔵でも酒かすは、販売されたり無償で配布されたりしますが、それでも余ってしまい、廃棄せざるをえません。
酒かすを廃棄するためにはコストがかかり重荷となっていますが、多くの蔵ではその費用を削減したいと考えていることでしょう。
この蔵ではこれまで、約50トンの酒かすの処分に年間で50万~100万円の費用がかかっていたとのこと。

新事業では栄養分を損ねないよう、60度程度の低温乾燥機に入れて水分を飛ばします。
その後、現場で取り扱いや作業が簡単にできるように粉状に砕き、肥料や飼料として販売するとのことです。
この蔵では酒造りの過程で年間約50トンの酒かすが出ていましたが、約半分を占める25トン分を回す予定とのこと。

この肥料を同市内の畜産業や農業法人に使用してもらうことで、地元産品のブランド化に役立ててようとしています。
「地元の酒かすで育った食肉」といったような消費者に対する安全性を新たにPRできるのではないかと狙っています。

阿賀野市役所も地元産品のブランド力向上などに向けて、支援に加わりました。
酒粕の再利用を促すための広報活動を開始したそうです。
市内で肥料や飼料の調達が可能になることで、畜産業者にとっても肥料の調達コストを削減することはSDGsに繋がるのではないかと考えられているようです。

SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことで、世界の国々が話し合い、2030年までに世界が取り組むべき目標が国連総会で採択されました。
環境の持続可能性確保という観点から、酒かすは再利用が可能な物資です。
廃棄物とするよりも、安全性に優れた資源としてリユースした方が有効です。

酒かすはよくスーパーなどで目にしますが、全ての酒蔵が酒かすを販売できるわけではありません。
酒かすはあくまで酒を造る途中の残りかすですから、販売に向かない場合もあるのです。
例えば不純物が混じることがあり、食品としての販売をためらう蔵は多く存在します。
肥料としての再活用は、別の酒造会社でも検討されていますが、越つかの酒造は先陣を切ってスタートしたのです。

蔵見学

越つかの酒造では、予約制で蔵見学が可能です。
現在でも創業1781年塚野酒造当時の建物の中を見学することができます。
また蔵見学の後、お酒の試飲や購入もできるとのこと。
ぜひお近くにお立ち寄りの際はご覧ください。

ただし、入口に迷うことになるでしょう。
道路に面した側面は、長い土壁が続いており、入口が分からないからです。
小さな門がありますが、駐車場がありません。
現在では、かつて裏口であったところを正門として使っています。
細い道を抜け裏側に回り込むと、広い田圃と入口を見つけることができるでしょう。

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