(株)よしかわ杜氏の郷

地域 上越
代表銘柄 よしかわ杜氏
住所
新潟県上越市吉川区杜氏の郷1  Gooleマップを見る
URL
http://www.yoshikawa-touji.co.jp

よしかわ杜氏の郷は、新潟県上越市吉川区杜氏の郷にある新潟県道30号線沿いにある道の駅に併設されている酒蔵です。
上越市が出資する第3セクターとして、道の駅「杜氏の郷」を中心に野菜直売所や醸造施設が建てられました。
酒米の生産と地酒醸造により、地域発展、農家所得の向上を図って設立された珍しい形の酒蔵です。

よしかわの風土

よしかわ杜氏の郷の位置する吉川区は、新潟県の南西にある中頸城郡の北東部にあります。
かつては吉川町でしたが2005年1月1日に上越市に編入し、町域は上越市吉川区となっています。

吉川区は良質な土壌、日本海からの風、自然のブナ林から湧出する良質な水源に恵まれた米の作適地として、古来より米作が盛んに行われてきました。
その豊富な米の作物量で、古くは上杉謙信の財力を支える穀倉地帯でした。
また明治時代以降は上越高田藩を支える地帯として名高く、歴史的に米の産地でした。
このような成り立ちがあり、吉川区は魚沼地方、佐渡と肩を並べるコシヒカリの三大産地となっています。

この地域では、全集落を挙げて継続可能な農業を行っています。
バイオマス利用や集落排水の実現、環境ISOの取得など、先進的な取り組みは全国から注目されている農村なのです。
さらに20年来、農薬をなるべく使用しない「永田農法」に取り組み、安全んで美味しい農産物を生産しています。

農民たちは「永田農法」と呼ばれる、肥料や水などを必要最低限しか使わない農法をいち早く取り入れました。
よく耳にする有機農法とはまた違い、さらに作物をいわゆる飢餓状態に追い込んで、植物が本来持っている力を引き出そうとするのだそうです。
その結果、作物はより多くの栄養を持ち、アクが少なく、病害虫の被害も少ないと言います。

それほどまでに米が豊かに育つこの土地では、酒米の製造と酒造りも同時に発展していました。
特に江戸時代からは剰米を利用した酒造りが有名となります。
この地区では1691年から酒造りが行われ、27の集落に酒造りを営む酒屋があったと言われています。

このように酒造りでも有名となった吉川町は、酒造りの技術者が組織化されました。
この地域の技術者は「杜氏」として各地に赴き、「よしかわ杜氏」としてその名を馳せていました。
新潟の3大杜氏として、その出身地域からよしかわ杜氏、野積杜氏、越路杜氏と呼ばれていますが、まさによしかわ杜氏は新潟の酒造りを代表する技術者集団です。
以上の所以から、吉川区は「杜氏のふるさと」とも呼ばれるほどです。

現在でも、杜氏や蔵人が多く住んでおり、酒米造りの知識を応用して酒造りに最適な酒米を作っています。

彼らが懸命に努力し、新潟で一番の酒造好適米「五百万石」の産地となりました。
また同地では20年前から山間地域の棚田で最高級酒米「山田錦」の栽培に取り組んでいます。
さらに最先端の農法であった「永田農法」をいち早く取り入れました。

その結果コシヒカリでは魚沼と並ぶ食味を実現させ、酒米でも最良の出来栄えを誇るようになったと言います。
酒米は雑味の原因となるタンパク質の量が低く、心白の大きさや硬度が醸造に最適だと言われます。
とても評判がよく、吉川区の酒米は新潟県内の複数の有名蔵元に出荷されるようになったのです。
もちろんよしかわ杜氏の郷では、地元産永田農法酒米100%の日本酒を生産しています。
そして、この酒米を使った大吟醸は日本やアメリカのコンテストで金賞など数々の賞を受賞しました。
このように吉川区は米の生産にかけては屈指の存在となったのです。

酒造りに欠かせない柔らかい口当たりの雪解け水

また米作りに欠かせないのは農業用水です。
吉川区に流れる河川には大量の雪解け水が流れ、その水が農業用水や醸造用水として使われています。
春になり桜が開花する時期になると、尾神岳からの雪溶け水が支流河川を伝わり頚城平野に流れます。
山林のブナ林は、自然ろ過の役割を果たします。
何十年もかけて、この水は軟水のソフトな水となり、口当たりの柔らかい浄水となります。
これらの要素が軽い口当たりの爽やかな酒の基礎となるのです。

酒造りと吉川高校

「杜氏のふるさと」とまで呼ばれ、優秀な杜氏を輩出した吉川区では、1957年(昭和32年)、当時の新潟県立吉川高等学校に、全国でも珍しい醸造科を設置しました。
農学部を持つ大学ですら醸造学科は珍しいのですが、酒を飲めない未成年に醸造教育を行うことは大変希少な事柄でした。

当時、酒造業界の技術革新に対応できる専門的な人材が望まれ、この時代背景を受けて開設されました。
また、清酒だけではなく、発酵食品分野のスペシャリストの養成として、清酒のほかに味噌や醤油などの製造実習も行われたそうです。
残念ながら惜しまれつつ2003年に閉科となってしまい現在は存在しません。
しかしこの科からは多くの卒業生が酒造会社に就職し、現在でも酒づくりの伝統を伝えながら活躍しています。

「道の駅杜氏の郷」の設立

前述のように吉川区は、コシヒカリや酒米造りの知識や技術を多く持っています。
町民は米作りには絶対の自信を持っているのです。
そして大量に流れる豊富な水資源が存在しています。
さらには、杜氏のふるさとと言われるほど、卓越した技術者が住んでいます。
吉川高校醸造科という教育機関もありました。
このような自然環境に恵まれた土地柄の中、住民感情として、米や酒をテーマにした町づくりに至った経緯は必然と言えるでしょう。
こうして多くの住民の意見や政治文化の下、国や地方公共団体と民間企業が合同出資で経営する第3セクターとして「道の駅杜氏の郷」が設立されました。

この施設では、豊かな自然と人とが交感する農村吉川区として、お米や野菜をはじめ、地元産食材を使った蕎麦やうどん、煎餅やお菓子などたくさんのおいしくて安全な食品・食材を製造、直販しています。
四季おりおりのおいしい特産物を集め、この土地ならではの滋味あふれる食品を販売しています。

そして全国でも珍しい事例が、吉川区で栽培された酒米を使用した日本酒を造る酒蔵「よしかわ杜氏の郷」の存在です。
酒造りは1999年より始動しており、「酒蔵のある道の駅」として全国でも異色の存在となっています。
冬季には酒造りの模様が見学できるのも魅力です。
当時は50年ぶりの蔵元認可を受けたことで話題となった、歴史的に新しい蔵元です。

そんな地域の夢を託されたよしかわ杜氏の郷でしたが、前途は厳しくなっています。
そもそも日本酒の出荷は1970年代をピークに、減少が続いています。
新潟でも120を超える酒蔵がありましたが、体力の無い酒蔵は廃業を迫られています。
良い酒を造ることが、儲かることには直結しないのです。

そもそも日本の第3セクターという構造に問題があるのかもしれません。
東京都や大阪市の臨海開発関連の会社や、北海道夕張市の財政再建には債務超過だった第3セクターが関連していると言われています。
地方財政の逼迫度が増す中、第3セクターの改革はスピードが遅く、行政改革が不十分な点が指摘されています。
また第3セクターが民間から融資を受ける際、地方公共団体が損失補償をしている場合があり、責任があいまいとなり、破綻後の債務を地方公共団体が引き受ける事態も出ています。

よしかわ杜氏の郷は、出資法人等経営状況報告書の提出がなされています。
その第3セクター等評価委員会の評価としては、今後の運営に課題があることが指摘されています。
その理由として、減収に歯止めがかかっておらず、赤字体質のままであること。
過去から比較すると運営コストが大きく増えてきていることが挙げられています。
現時点から、民間事業者への株式譲渡による民営化を指摘する声もあがっているほど。

特にコロナ禍になり、消費のされ方が大きく変化する中で、営業力やマーケティング力が問われる時代となりました。
外部からの指摘として、インターネット販売や地域住民への販売の強化や、スーパーマーケット等の大型店舗への営業活動を行い、新たな販路獲得を薦められていますが、一朝一夕で叶うものではありません。
今後、この酒蔵は売れ筋商品に集中し、製品の見直し、材料費や労務費等の削減などを通じてコストの削減を図るでしょう。
しかし良い米造り、良い酒造りといった製造者目線だけでは、売れなくなってしまった時代に、第3セクターの酒蔵がどのような進路を取るのでしょうか。

吉川区には他の地域には魅力や特色がたくさんつまっています。
一消費者としてしては、この土地ならではの強みを活かした面白い製品を生み出してほしいと思います。

アクセス

所在地 949-3449 新潟県上越市吉川区杜氏の郷1
TEL 025-548-2331
駐車場 大型:8台 普通車:254(身障者用6)台
営業時間 9:00~21:00

(株)よしかわ杜氏の郷新着情報

2022.05.2 (株)よしかわ杜氏の郷
GW5/3~5開催 よしかわ杜氏の郷 春の原酒祭り

よしかわ杜氏の郷では、GW期間中の5/3~5/5まで
「春の原酒祭り」と題したイベントを行います。

限定販売の純米柚子酒ほか限定原酒を発売します。
柚子酒はさわやかな柚子の酸味がある、甘さ控えめのお酒です。
過去に人気だったことから、限定で再販が決まりました。

またお試し3杯として、限定酒や大吟醸などから3杯をお試しできるお得なセット。
わずか500円で飲めます。

お子様にはポップコーン無料コーナー。
ジェラートの販売も行います。
またガラポン抽選会も開催。

先着200名様には無料で酒粕をプレゼントもあります!

お問い合わせは
よしかわ杜氏の郷 まで
〒949-3449 新潟県上越市吉川区杜氏の郷1番地 TEL.025-548-2331
[営業時間]10:00 ~ 18:00

2022.03.4 (株)よしかわ杜氏の郷
ひなたコラボ「灯(トモシビ)」 純米吟醸 生貯蔵酒発売中


よしかわ杜氏の郷は、音楽ユニットとコラボ「ひなた」「Rafvery」とコラボした日本酒を発売した。
「ひなた」「Rafvery」は新潟県内を中心に活動し、吉川区で頻繁にライブに出演した。
そこで酒名はユニット名の「トモシビ」と命名した。
ユニットカラーのオレンジを使い、ラベルとオリジナル専用箱を作成した。
よしかわ杜氏の郷で販売中。

ひなたコラボ「灯(トモシビ)」 純米吟醸 生貯蔵酒
使用米:五百万石
精米歩合:55%
アルコール度数15度
日本酒度:+2

2021.04.27 (株)よしかわ杜氏の郷
ゴールデンウィーク酒蔵フェア よしかわ杜氏の郷

今年のゴールデンウィークは、 5/1(土)~5/5(水)の間でよしかわ杜氏の郷で酒蔵フェアが開催されます!

野菜の直売の他に、お酒直売所がある全国でも珍しい道の駅です。

来場者には嬉しい4つの特典があります。
●限定原酒の販売
いつもは販売していない、限定酒の販売!

●三賞受賞飲みくらべ
大吟醸、大辛口 、純米酒など5日間限定、500円にて飲み比べセットを販売!

●酒粕プレゼント!!
1,000円お買い上げの方によしかわ杜氏の郷限定の酒粕が手に入る!

●送料サービス!!
10,000円以上ご購入の方「送料無料」(本州限定)

いずれも限定数なので、ぜひ早めに行ってGETしってくださいね!

※来場の際は、感染対策をお願いします。

(株)よしかわ杜氏の郷
〒949-3449 新潟県上越市吉川区杜氏の郷1
営業時間 9:00~21:00

2021.03.19 (株)よしかわ杜氏の郷
新発売 天恵楽 純米吟醸しぼりたて生原酒 720mL


よしかわ杜氏の郷から新商品のお知らせです。

この天恵楽純米吟醸は吉川区産五百万石を、55%にまで削って作りました。
もちろん掛米も同じ五百万石と、コストをかけています。
味わいは淡麗な口あたりながらも、お米の旨みが際立っている純米吟醸。
しぼりたてならではの、フレッシュな感覚が魅力的です。。

通常のお酒は火入れをして酵母を殺菌しますが、
この「しぼりたて生原酒」はもろみを搾った後火入れをせずにそのまま出荷致します。
酵母が生きているので冷蔵庫に保管してください。
アルコール度数17度

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