君の井酒造(株)

地域 上越
代表銘柄 君の井
住所
新潟県妙高市下町3-11  Gooleマップを見る
URL
http://www.kiminoi.co.jp/

君の井酒造は1842年創業の酒蔵で、長野県の追分から新潟県の直江津を経て、日本海沿いに京都へとつながる北国街道沿いに位置します。

長年山廃造りを主軸として酒造りを行ってきました。

君の井の名称は明治天皇=君子への献上から由来しています。

環境と自然

 

君の井酒造は豪雪地の中でもさらに雪深い新潟県妙高市に位置します。

妙高市は新潟県の西部にあり、長野県と隣接しています。

また信越道や北陸新幹線などが整備され、新潟市や長岡市に比べ、長野県寄りの交流が活発です。

冬の降雪量が10メートル以上にもなる妙高は全国屈指の降雪地帯で、特別豪雪地帯として指定されています。

山間部は、妙高戸隠連山国立公園地域も含まれ、斑尾山周辺とあわせ、温泉やスキー場など、自然豊かな観光資源を持っています。

特にそのシンボルとして別名越後富士と呼ばれる妙高山がそびえたっています。

春になると降水量が一気に減り、冬季に降り積もった雪が、天然水となって平野部に流れていきます。

この春先の豊富で清冽な雪解け水は、川から田んぼに流れ込んで、品質の良いお米の生産に欠かせません。

また山中で地面に染み込んだ雪解け水は、地中で時間を掛け、綺麗に濾過され仕込水として酒造りに使用されることになります。

 

君の井酒造の歩んだ歴史

 

君の井酒造の始まりは1842年とされていますが、正確な記録は残っていません。

度重なる火災によって、多くの記録を無くしてきているようなのです。

ですから、古い物証が出てくれば創業が変わるかもしれません。

 

1842年と言えば、老中水野忠邦による天保の改革が起こった時代です。

天保の時代は天保の大飢饉と呼ばれた、全国的な凶作による米価・物価高騰が起こりました。

そのため百姓一揆が頻発しており、甲斐天保騒動や三河加茂一揆、越後生田万の乱、大塩平八郎の乱などが発生しました。

それら国内事情に加え、阿片戦争が勃発し世界情勢が変化し、モリソン号事件により国外との軋轢が強まるなど、幕政を揺るがす事件が発生していました。

 

そのような時代背景の中、将軍徳川家慶の下で老中水野忠邦は、農村復興を目的とした施策を打ち出します。

人返し令によって、都会に出てきた農民を農村に返し、年貢を増やそうとしました。

また反対派の粛清や、賄賂の禁止を行い人事改革を進めたと言います。

 

高騰していた物価を安定させるため問屋や株仲間を解散させました。

一般金利を150%から120%に下げ、返済免除や20年の無利子貸付も行いました。

しかしこのような政策は、経済論など無かった時代には裏目に出ました。

ハイパーインフレーションが起き、社会混乱を助長したという学説もあるほどです。

 

君の井酒造はそのような歴史とともにあゆみ、現在でも昔の製法を頑なに踏襲した山廃づくりで酒造りを行っています。

山廃仕込へのこだわり

 

近年、味のしっかりした酒のニーズが高まっており、生酛や山廃酛が注目されています。

その中で君の井酒造は、山廃仕込みという江戸時代からの伝統的な製法を現在でも引き継いでいることで知られています。

 

山廃仕込とは自然の乳酸菌で時間をかけて発酵させる、昔ながらの製造法です。

その蔵でしか出せない独特な奥深い味わいが特徴です。

これに対して、現在酒造りの主流は「速醸造り」と呼ばれる人工の乳酸を添加して造る、近代的な方法です。

この方法では酒が爽快でキレのある飲み口となります。

 

ちなみに「生もと造り」の説明を加えます。

生もと造りは、蔵や自然の中に生息する天然の乳酸菌を取り込む伝統的な造りで、速醸に比べ作業が複雑で時間を要し、全国でも一部の蔵元でしか造られていません。

山廃はこの「生もと造り」の一種とお考えください。

生もとの作業工程にある「山卸」(水・麹・蒸米を桶に入れて時間毎にすりつぶす作業)と呼ばれる工程を廃止した技法で、正確には「山卸廃止」略して「山廃」と呼ばれています。

いずれにしても山廃仕込みは、速醸に比べてはるかに煩雑で手間のかかる作業となります。

酒の出来栄えの主要因は「乳酸菌」であり、まさにこれが酒の命と言えるでしょう。

この乳酸菌は、蔵の中に住んでおり、住みつき酵母とも呼ばれています。

 

かくも神秘的な乳酸菌が、元気な酵母を増やして良質な酒母となります。

君の井酒造では、これを「蔵付乳酸菌仕込」と銘打ち、全国でもここでしか無い旨味あふれる味わいを造っています。

目標とする造りは「エレガントな山廃」とのこと。

速醸の酒が一般的な中、山廃独自の旨味と奥深いコク・味わいは日本酒ファンを魅了しています。

 

木製の暖気樽

 

君の井酒造では、木製の暖気樽(だきだる)を使用しています。

暖気樽とは、手桶のような形をしており、中に熱湯を詰めて酒母の入ったタンクに投入して使用する道具です。

酒母は文字通り、酒の味を決定づけるいわば根源的な存在。

この酒母に、蒸米、水、米麹、酵母を加え、2~4週間ほどかけて酵母を大量に培養していきます。

しかし、酵母は力が弱いため、雑菌から守ってあげる必要があります。

そこで必要なのが乳酸であり、この乳酸を増やす道具こそ暖気樽です。

だからこの暖気樽によって、酒の味が決定すると言っても過言ではないでしょう。

もし酵母に十分な栄養が無い、または栄養がありすぎると、酒の味は崩れてしまいます。

この繊細な調整を行うことを「暖気操作」と言います。

暖気樽にお湯を入れ、さらに樽ごと酒母の中に入れて温度調整をするのです。

樽の投入時間や動かし方、かき混ぜ方はその蔵独自のノウハウがあり、酒の味を決定づけます。

 

現在ではほとんどの蔵で、ステンレスやアルミニウムなど金属製の道具を使っています。

またタンクの周囲に熱湯を回して暖気樽そのものを使わない方法も増えています。

 

君の井酒造があくまで木製の道具にこだわりを持つ理由とはなぜなのでしょう。

その理由は、熱伝導が違うことが挙げられます。

木製の道具は、ゆっくりと熱が伝わるため、酒母に急激な温度変化が起こりません。

 

またこのような繊細な技術を要する作業では、大量生産はできません。

君の井酒造では、量よりも質を追い求め、山廃という手間暇かかる酒造りを選びました。

単なる伝統の踏襲だけではなく、実利的に使用しているのです。

こうしてこの酒蔵は、樽のような道具ひとつひとつに、アイディアを馳せています。

 

ホーロータンク導入の歴史

 

酒造りに欠かせないホーロータンク。

現代では一般的なホーロータンクが全国に普及した理由には、君の井酒造が大きく貢献しました。

ホーロータンクは、兵庫県で創業した灘琺瑯タンク製作所の酒タンクです。

鋼板を成形したものにガラス質を上塗りし高温で焼きつけています。

酸やアルカリに強く、保存容器として開発されました。

さらに木桶のような吸水せず、雑菌なども入りにくいホーローでタンクは、安全な酒造りに繋がると考えられておりました。

しかし地元兵庫の蔵は木桶による伝統の製法を重んじ、普及しませんでした。

それに代わって資金援助し採用したのが、機那サフラン酒本舗を筆頭に、君の井酒造を初めとする新潟の蔵でした。

その後、新潟清酒の父とされる田中哲郎氏などの影響もあり、ホーロータンクは全国各地に広がりました。

 

君の井酒造の蔵見学

 

君の井酒造では、観光用に蔵を見学することができます。

吉永小百合さんが、大人の休日としてJRの広告の撮影がされたほど、伝統的で立派な建物です。

また全国の酒蔵を50箇所も設計したほど業界では有名な建築士、篠田次郎氏の設計による建物も圧巻です。

篠田氏は吟醸ブームの旗振り役にもなったとか。

 

他にも築100年以上の社屋では冬の大雪に耐える梁の構造。

酒造りに使用される釜やこしき、テレビCM等メディアの撮影現場に使用された施設を見ることができます。

また季節によりその時期おすすめのお酒の無料試飲や商品の購入が可能とのこと。

妙高市にお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

 

君の井酒造(株)新着情報

2021.03.20 君の井酒造(株)
4/5新発売 君の井の梅酒

2021年4月5日に君の井酒造から新発売の「梅酒」のご紹介です。

販売休止となっていた、君の井日本酒仕込みの【梅酒】。
酒質・ラベルともにリニューアルし、4月5日からリニューアル兼新発売となります!

定番酒「君の井」に減農薬栽培の「越の梅」を少量の砂糖で漬け込みました。
甘さ控えめで梅の味わいがしっかりと感じられるやや辛口の梅酒だそうです。

食前酒はもちろん、食中でもお愉しみいただけます。
ロックまたは冷やしてお召し上がりください。

アルコール度数:13.5度

1.8L 2,970円
720ml 1,430円

君の井の直売オンラインショップはこちらから

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