お福酒造(株)

地域 中越
代表銘柄 お福正宗
住所
新潟県長岡市横枕町606  Gooleマップを見る
URL
http://www.ofuku-shuzo.jp/

「歴史」

お福酒造は長岡市の中心部より南東へ約5キロ、豊富な山林と清冽な自然清水を湛える長岡東山山系の麓に
「岸五郎商店」として誕生しました。この地は冬になると3~4メートルもの雪が積もる豪雪地域、
旧山古志村の玄関口に当たります。
創業者の岸五郎の旧姓は関五郎松。北蒲原郡の大庄屋の長男に生まれ、後に岸家へ婿入りしました。
岸家へ婿入りした五郎が酒造りを始めたのは明治30年(1897年)9月、30歳の頃でした。

「酒造りの教本、醸海拾玉(じょうかいしゅうぎょく)」

五郎は東京工業学校(現東京工業大学)の応用学科で発酵学、醸造学を学び卒業後も埼玉県で醸造技師を務める傍ら、
醸造研究者として酒造りのための水の研究や酵母について研究をしていました。酵母についての研究は、当時
日本語による文献がなく上野の図書館に通いパスツールの発酵論を写し、夜これを訳しながら研究する日々が続きました。
そして大変な苦労をしながら研究を続けた結果、集大成としてに発刊されたのが酒造りの専門書
「醸海拾玉(じょうかいしゅうぎょく)」です。明治27年、五郎が弱冠26歳の時でした。

「醸造界の大発明」

「醸海拾玉」は当時、杜氏の感に頼っていた酒造りを科学的見地から説いた酒造りの教本で、
特に醸造用水の加工研究では軟水による酒造りをいち早く可能にしたといわれます。

また当時の酒造りは、「生酛(きもと)」と呼ばれる方法で行っていました。この方法は酒蔵に住みつく
家付き酵母と呼ばれる自然界に存在する酵母に頼る方法です。しかし昔は現在のような温度管理のできる設備も
なかったので、野生の酵母を管理するのは大変難しく酵母を育てる段階で酒造りに不要な雑菌が繁殖し
失敗することもたびたびありました。この酒の腐敗が昔は”悪魔の仕業”とも言われました。

そんな悪魔の仕業を、五郎は化学的な見地から大きく覆していきます。五郎は酒造りをしながら研究を続け、
ついに酵母の働きを邪魔する雑菌に勝つのは「乳酸」だということにたどり着きます。さらにお酒の「もと」が
水麹の段階で適量の乳酸を入れ、雑菌の繁殖を防ぎながら同時に大量の優良酵母を加えることで短期間で安全な酵母を
育てることに成功しました。

この「速醸もと」は当時最も恐れられていた腐造を防ぐことを可能にし、醸造業界に旋風を巻き起こしました。
そしてこの技術は後に「速醸法」として江田鎌治郎という糸魚川出身の技術者によりまとめられ、醸造界の大発明と言われました。
これが現在も全国で清酒造りの主流となっている「速醸仕込み」です。

醸造界の大発明といわれる速醸もとの原型を作った岸五郎は、その功績が称えられ、昭和33年醸造界で初となる
黄綬褒章を受賞しました。

「受け継がれた五郎の精神」

「岸五郎商店」として創業を開始した酒蔵はのちにお福酒造株式会社」と改められ、代表銘柄を「お福正宗」としました。
五郎が命名したこの名前には、『飲むほどに、お客様にも、蔵人にも福が招かれるように』という思いが込められています。

「醸造は、一つの活劇場なり、その千変万化、究極とするところなかるべし」

 

これは当時設備も乏しい中、四季の変化に伴い気温や湿度をその都度見極めながら酒造りをしていた五郎の口癖です。
商売よりも酒質向上のため常に探究し続けた五郎が理想とする酒は「飲んだときに幸福感を味わえる」そんなお酒です。
淡麗辛口が代表の新潟清酒の中で一線を画し、あえて旨みのある味わいを貫く。米をたっぷり使用し、活性炭の使用と
濾過を最小限にした旨みを残す酒質は、コスト度外視の方法でもありますが”上品な甘みは人を幸せにする”という
五郎の信条通り、現在もお福酒造の味として受け継がれています。

「山古志との共存共栄」

お福酒造では「新潟の酒」ではなく「長岡の地酒」であり続けるために、地域性や独自性を生かした酒造りを
始めました。それが山古志(旧山古志村)との関わりです。この取り組みは酒蔵と地域両方を活性化し、
共存共栄を図りたいという同蔵の想いもありました。山古志は長岡市の山間に位置し、冬には3~4メートルの雪が降ることもある
豪雪地域です。主な産業は国の重要無形民俗文化財「牛の角突き」や錦鯉の養殖が有名で、現在では泳ぐ宝石「錦鯉」を求め
海外からも客が訪れています。また丘陵地の斜面に広が

る美しい「棚田」は絶景のビュースポットとして、多くの
カメラマンを魅了しています。

1997年3月、お福酒造は山古志で酒造好適米「一本〆」の作付けをスタートし、初年度収穫されたお米から

 

「山古志純米吟醸」が誕生しました。その後徐々に生産農家を増やし、同時に酒米造りツアーや物産展などに
積極的に出店し、山古志の豊富な自然を紹介しながら商品のアピールを重ねてきました。
しかし2004年10月23日、あの「新潟県中越大震災」が発生します。新潟県中越地方を震源とする地震は、最大で震度7を
観測し、震源に近かった山古志村でも震度6強を観測しました。山古志村の至ところで地滑りが発生し、美しい棚田も
壊滅状態となりました。道路は寸断され村は孤立し、全村避難せざるを得ない状態でした。
山古志村の玄関口にあるお福酒造の醸造蔵、精米工場も倒壊しました。2004年収穫分の酒米は栃尾倉庫へ移動していたため無事だったものの、
醸造蔵が倒壊してしまったため修復後、醸造の再開までには約4か月の期間を要しました。全村避難を余儀なくされた山古志村の
生産農家も、長岡市の仮設住宅から被害の少なかった田圃へ通い翌年の収穫にこぎつけたのでした。

旧山古志村の住民が全村帰村できたのは2007年12月。震災から3年2か月の月日がかかりました。
同じくしてお福酒造の新仕込み蔵も完成し、同年2月には山古志酒米生産者協議会が発足されました。
わずか1名から始まった生産農家は15名となり、お福酒造では今日も山古志の生産農家の熱意と自然の力強さが感じられる
「長岡の地酒」を造り続けています。

「受賞歴」

昭和33年、初代当主 岸五郎、酒造技術につとめたことにより黄綬褒章受章。

平成8年 お福正宗 吟の華 純米大吟醸、「世界酒まつり(於、ロンドン)」5位入賞

平成14年 3代目杜氏、吉井民夫、長年の酒造業への功績が評価され、黄綬褒章受賞。

平成16年 お福正宗 大吟醸 雫酒 斗瓶囲い、「春季全国酒類コンクール」吟醸部門 優勝第一位

平成18年 3代目杜氏、吉井民夫、「にいがたの名工」に選ばれる。

全国清酒品評会、優等賞 多年受賞

「直近受賞歴」

第90回(令和元年)関東信越国税局酒類鑑評会
吟醸酒の部、お福正宗大吟醸槽しぼり 純米酒の部 お福正宗 純米酒 W金賞受賞

令和元酒造年度全国新酒鑑評会(令和2年) 入賞

全国燗酒コンテスト2019
お値打ち燗酒ぬる燗部門 うまくちお福特別本醸造酒 最高金賞受賞

全国燗酒コンテスト2020
お値打ち燗酒ぬる燗部門 うまくちお福特別本醸造酒 金賞受賞

ワイングラスで美味しい日本酒アワード2019
大吟醸部門 お福正宗大吟醸槽しぼり720ml 金賞受賞

「直営店 福の蔵」

お福酒造の蔵内にある直営店「福の蔵」では、限定大吟醸の量り売りが人気となっています。
試飲コーナーや休憩スペースもあり、大型観光バスが入れる駐車場もありますので一度立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
※来蔵の際はホームページで営業日をご確認ください。

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