新潟の酒卸・酒類卸業者とは 仕入れや購入について
酒類販売には免許が必要です。
なかでも中間流通として、メーカーから仕入れたお酒を、お店に販売する場合は卸免許が必要となる場合がります。
この法律に背くと処罰されますのでご注意ください。
免許で分ける酒卸と業務卸
卸業務は免許で分けると主に2種類あります。
ひとつは、仕入れたお酒を酒類販売店に卸業務を行う卸で、一般的な酒卸に当たります。
この場合は卸業免許が必要です。
二つ目は、仕入れたお酒を飲食店に卸業務を行う卸で、業務用酒類卸、略して業務卸と呼ばれます。
この場合卸免許は必要ではありませんが、小売り免許は必要です。
つまり酒を卸す相手先の業態によって、必要な免許が異なります。
購入した後に別の場所で飲む酒を販売するお店に卸すには、卸免許。
購入した後にすぐに消費される場所に卸すには、小売り免許と言うことです。
このため、厳密には酒卸とは、卸売り免許を持つ業者を指します。
大卸、二次卸、三次卸
メーカーは卸との取引にあたり契約を結びます。
この際に卸店を特約店と呼び、この制度は特約店制度と呼ばれています。
またメーカーと直接特約を取り引きできない場合は、特約店から仕入れをします。その場合、特約店の二次卸となります。
同様に、メーカーや特約店からも仕入れができない場合、二次卸からの仕入れとなり、三次卸となります。
昭和には特約店制度が複雑で5次卸まであったと言います。
特にビール業界では特約の縦列が顕著でした。
しかし近年は流通の圧縮が起こり、2次卸や3次卸の数は大きく減少しています。
酒卸の経営規模
酒卸業務を全国規模で行っている大企業から、ほぼ個人経営で営業している酒卸まで経営規模はバラバラです。
大きさや取引の範囲によって、全国卸、地域卸、地場卸と業界では分けられて呼称されています。
全国卸は、国分(株)や日本酒類販売、三菱食品、三井食品など大企業があります。
地域卸は、各地域の県酒販と呼ばれる卸が代表的です。
その他は中小零細である地場卸の数が多く存在しています。
ピークの昭和50年は12000社を超える酒卸が全国に存在していました。
しかし現在はその10分の1の1200社程度とされています。
また流通の多くは全国卸が握っています。
酒卸から仕入れることは可能か、安いのか
一般的には酒卸から仕入れることができるのは、小売り免許を持つ小売店となります。
その場合、卸価格と呼ばれる特別な価格で仕入をすることができます。
消費者や飲食店は免許を持っていませんので、小売店から購入することになります。
つまり、酒卸から仕入れるためには免許を持っている必要があります。
新潟県の主な地域卸、地場卸、業務卸 順不同
地域卸
新潟酒販(株)
新潟県酒類販売(株)
地場卸
原商(株)
(株)新川屋
(株)住吉屋
中越酒類販売(株)
業務卸
片山商事(株)
(株)小川
(株)千屋
越路商事(株)
(株)甘辛の大久保酒店
(株)渡常
(株)北沢酒店
高畑(株)
酒卸研究者
二宮 麻里氏
江戸期から昭和初期(1657年-1931年)の灘酒造家と東京酒問屋との取引関係の変化
福岡大学商学論叢 57(1・2) 51 – 81 2012年9月
明治期から大正期における灘酒造業-問屋依存型販売からの脱却と新興商人の酒類流通への参入
福岡大学商学論叢 57(3・4) 307 – 340 2013年3月
昭和初期の酒類流通における商業者の品揃えの拡大と乱売の発生
福岡大学商学論叢 58(1-2) 139 – 171 2013年9月
酒類産業における生産・流通規制
福岡大学商学論叢 58(4) 469 – 495 2014年3月
高度成長期の酒類流通とビール特約店制度の形成
福岡大学商学論叢 59(1) 29 – 52 2014年6月 など