上越酒造(株)
上越酒造は1804年創業の上越市の酒蔵です。
社長である飯野美徳氏がほぼ一人で切り盛りをする小さな酒蔵です。
蔵を訪れると、一見単なる酒屋さんに見えてしまいますが、奥にはしっかりした製造設備が整っています。
ほぼ新商品は出さずに、頑なに古風なラベルと製法にて酒造りを行っています。
Twitterでバスったことがあり、その時は1日で1年分の酒を売り切ってしまうほど小さな酒造りです。
飯野社長には息子が居たものの、蔵の後継ぎはさせませんでした。
上越酒造には大きな得意先もなく、しかもコロナが蔓延し出荷数も伸び悩んでおりました。
ですので「自分の体力がなくなったら。会社を閉じることと考えていた」と飯野社長は廃業も視野に入れ考えていました。
その中、国の事業である「新潟県事業承継・引継ぎ支援センター」を活用し、事業の引き継ぎを検討しました。
2021年8月30日に、日本トーター株式会社に事業譲渡を行いました。
日本トーターは1982年の設立で、社員数は約3000人に及ぶ大企業です。
公営競技の企画、運営および開催受託に関する業務などを手がけています。
今後上越酒造の新社長には日本トーターの社員が就任する予定で、飯野氏は取締役会長として上越酒造に残り酒造りなどに関わっていきます。
さらに日本トーターではすでに新工場や新設備の建設計画に着手、来年度から本格的に酒造りに取り組む計画があるとこのこと。
新しく生まれ変わる上越酒造に期待をしたいところです。