(株)マスカガミ
新潟県加茂市の酒蔵(株)マスカガミ。
普通酒でもトップクラスの精米歩合を誇る酒造りは、旨さ、飲みやすさがあると評判です。J40をはじめとするアルファベットラインや甕から直接お酒を汲む「甕覗」など人気商品を生み出しています。
加茂市とは
マスカガミの位置する新潟県加茂市は三方を山に囲まれている土地です。
酒蔵は新津丘陵の南側に位置し、東に粟ヶ岳、西には弥彦山を眺望できる風光明媚です。
町の中心にはシンボルとなっている加茂川が流れており、マスカガミも川沿いに建てられています。
なんでも都市の起源は平安時代に遡り、青海神社の鳥居前町として栄えたのが始まりとか。
古くから京都との関わりがあった事や、中心街の落ち着いた町並みから「越後の小京都」とも呼ばれる情緒ある町なのです。
その南東部にある粟ヶ岳は標高1,293mの山で、日本三百名山の一つとして数えられています。
天気が良い時は、日本海側に弥彦山、角田山、佐渡島を望むことができるパノラマが広がる絶景とか。
ここには、登山道、ハイキングコース、キャンプ場などの施設が整備されており、市民をはじめ多くの観光客の憩いの場となっています。
また粟ヶ岳を源流に、加茂川が日本海側に向け流れています。
水中にはギンブナやウグイのほか、メダカやアカザといった日本古来の魚類が生息している貴重な水資源となっています。
川の周囲は、河川改修により川幅が広げられ、河川敷には公園や花壇が整備されています。
毎年、8月14日にこの河川敷で夏祭りが行われる他、子供の日が近づくと大量の鯉のぼりが河川に並ぶイベントが有名となっています。
春の加茂川沿いに並ぶ500匹の鯉のぼりは圧巻で、家族連れなどでゆっくり堪能できる催事です。
町の中心には青梅神社がありますが、西暦927年もの昔に建立された歴史ある建物です。
平安時代にさかのぼるとこの土地は、京都の賀茂神社の領地となっていました。
京都の上賀茂神社と下賀茂神社の祭神が分霊されたことから、「加茂」と呼ばれるようになったのです。
戦国時代には上杉家の支配下にありました。
現在でも要害山と呼ばれる砦の跡が残されています。
1612年には新発田藩の一部となり、現在まで続く町割りや市場の設置、河川の整備などが行われてきた歴史があります。
マスカガミのこだわり
1892年にマスカガミは現在の地で創業をしました。
「萬寿鏡」という銘柄は、万葉集などの和歌に由来するそうです。
創業当時に所轄の税務署長が、おめでたい文字を当てて命名したとのことで、平安時代から続く伝統のある町並みに合った銘柄となっています。
この蔵では、栗ヶ岳水系の上水道を仕込み水に使用しています。
それによって醸されるお酒の特徴は、新潟県を代表する淡麗辛口の味わい。
淡麗でありながら旨みのある飲み飽きしない風味を持っています。
なかでもマスカガミが自信を持っている特徴には、精米歩合があげられます。
ちなみに精米とは、酒米を磨いて削る作業のことを言います。
なぜ磨くのかというと、米の表層部分は、酒を造るうえで雑味の原因とされているからです。
米の表層部分にはたんぱく質や脂質、でんぷんなどの成分があります。
しかしこれらの成分が多すぎると、酒の雑味となってしまうばかりか、良い香りもなくなってしまうのです。
そこで、必要のない米の部分を削り取ることを精米作業と言います。
つまりこの精米歩合の数値が低いほど、より高度に精米されているのです。
しかし、精米には多くの作業と時間がかかります。
とある蔵では、60%精白の場合は28時間、50%精白では42時間、35%精白ともなれば72時間もの時間がかかってしまうのです。
ですので一般的には、よく磨かれた酒ほど、高級酒に使用されるのです。
ところがマスカガミでは「良質な酒を醸すには米を惜しげもなく磨くこと」をモットーにしています。
「大吟醸が美味しいのは当たり前。普通酒が評価される蔵でありたい」という考えのもと
全製品の平均精米歩合をなんと55%にしているとか。
全国の平均精米歩合が67.3%と聞くと、この蔵がいかに高精米をしているかがわかります。
「定番酒にこそ酒蔵の誠意が現れるもの」と、一番低価格な普通酒でさえ、特定名称酒並みの精米を行っているほどなのです。
ユニークな商品たち
マスカガミでは高い品質の酒づくりに取り組む一方、遊び心のある個性的な商品づくりを心がけています。
まずこの蔵を特徴になのが大甕で仕込んだ酒ではないでしょうか。
蔵内に約800リトッルの大甕が23個あり、それらに主に特別純米酒を製造しています。
焼酎蔵では甕を使用しますが、日本酒では一般的に甕を使用しません。
ですからこんなに甕を使用している酒蔵というのは全国でも非常に稀なのです。
「一年寝太郎」「三年寝太郎」などの寝太郎シリーズではそれぞれ、一年、三年と、長期熟成をさせた古酒です。
通常のタンク貯蔵と違い、陶器の特性で熟成が早く、味にまろやかさが出るのが特徴です。
ひしゃくで汲んで注ぎあうスタイルは、もともと骨董好きの弊社前会長が、甕壺に酒をいれて客人に振るまったことに由来します。
最近では「F」「J」「G」というアルファベットが付くお酒が登場しています。
アルファベットラインの「F」は普通酒を、「J」は純米酒を意味し、それに続く数字は原料米の精米歩合を表しています。また、数字の次に「G」のつく商品は原酒であることを意味しています。
このような名前の付け方にもひねりをつけているのがこの蔵の特徴と言えるでしょう。
もともとは規格外の米を、どうにかできないものか思考した挙句、大吟醸並みの精米をしたことからこのアルファベットシリーズができたとか。
少しずつのチャレンジの積み重ねが、新しい旋風を巻き起こしています。
趣のある玄関と地域との共存
加茂市はかつて小京都と呼ばれた栄誉ある土地でした。
しかし時代の変化と共に、人口流出が激しくかつてのような賑わいや趣ある風情がなくなってしまいました。
マスカガミでは、そんな地元を活気づけようと、蔵の前の小川に大きな水車を建築し、趣のある外観にしました。
非常に雅で撮影場所としてもぴったりです。
またマスカガミから川を越えてすぐのところに位置するギャラリーがあります。
マスカガミの屋号「にごろさ」由来の風情ある建物で、大きな甕をはじめ、酒造りにまつわる展示品が館内に並んでいます。
純米酒で作るローションのワークショップや、絵画の個展など幅広く、楽しめるイベントを不定期で開催しています。
マスカガミはこのように酒を造るだけではなく、地元との共存を図り、文化に寄与しています。
受賞歴
関信局酒類鑑評会受賞
平成30年 純米吟醸の部 優秀賞
令和1年 純米吟醸の部 優秀賞
令和2年 純米吟醸の部 優秀賞
他に多数受賞歴あり
(株)マスカガミ製造銘柄
(株)マスカガミ新着情報
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- 第92回関東甲信越鑑評会受賞結果
第92回関東甲信越鑑評会受賞結果
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原酒造
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丸山酒造場 - 2021.04.29 福顔酒造(株)高の井酒造(株)妙高酒造(株)市島酒造(株)原酒造(株)菊水酒造(株)(株) DHC酒造石塚酒造(株)(株)越後酒造場天領盃酒造(株)(株)北雪酒造峰乃白梅酒造(株)麒麟山酒造(株)(株)マスカガミ朝日酒造(株)大洋酒造(株)
- ゴールデンウィーク蔵元のお酒市開催!新潟ふるさと村
本日ゴールデンウィーク期間の4月29日~5月5日に新潟ふるさと村で「蔵元のお酒市」が開催されます。
新潟の有名蔵元が多数出店し、特設ブースにて販売を行いますよ!
蔵の作り手や営業などが直接販売を行います。
なので普段聞くことのできないお酒の話や美味しい飲み方など、聞くことができます。
ぜひおすすめのお酒を聞いて、お休み中にくつろげるお酒を発見してくださいね♪もちろんお酒以外にも名産品コーナーや屋台、大道芸などもあります!
ファミリーでお出かけの際は1日楽しめるでしょう。(※感染対策をお忘れなく)〈出店蔵〉
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